
「耳を開く」という言葉を聞いたことがありますか?
ピアノを習ったことのあるかたは聞いたことがあるかもしれませんね。
私たちは本来、身の回りにある音の刺激をすべて受け取って過ごしています。
でも、音の刺激が全部わーっと耳から入ってきたら、どうしたらいいのか混乱してしまいますよね。
音の刺激を受けると、脳が必要な音とそうでない音を判断し、認知しています。
つまり、同じ音でも聞こえる人と聞こえない人がいる、ということです。
私たち人間が聞こえる音の高さの範囲は、20Hzから20000Hzだとされています。
その中でも、大人が聞き取れる高さの範囲は250~300Hzという低い音です。
子どもの頃にはかなり高い音まで聞こえているのですが、大人になると聞こえる音の高さがどんどん低くなってくるのです。
モスキート音、という言葉を聞いたことがありますか?
モスキート、というのは蚊のことで、夏になると「プーン」と聞こえる、あの耳障りな音です。
ゆっくり寝ていたいのに、起こされてしまった方も多いのではないでしょうか。
年齢を重ねるとこの高さの音が聞こえなくなり、蚊が飛んでいても気づきにくくなります。
気がついたら何か所も刺されてかゆい思いをした、なんて経験をしたことがあるかもしれませんね。
モスキート音のような高い音は、20歳くらいを境にしてどんどん聞こえなくなってきます。
これは耳の中にある、音を感じ取る有毛細胞が加齢や騒音で傷ついたり壊れたりするためです。