なぜ、その声は届かないのか


『届かない声』これには大きく分けて2つあります。

まず1つは「声が小さくて聞こえない」。大きな声を出せないのは、身体的な理由よりも、精神的な理由の方が大きいのです。自分に自信が持てないと、なかなか大きな声が出せません。

2つめは「誰に向かって言っているのかわからない」と感じる声です。大きい声は、相手の耳に届きやすいでしょう。でも、相手の耳に届いている(はずの)声は、相手の心にも届いていますか

最近、いろいろなところで機械の合成音声を耳にする機会が増えてきましたね。銀行、コンビニエンスストア、駅など街に出ると合成音声を聞かない日はありません。でも、この音声に「ありがとうございました」と言われ、「いやいや、どうもどうも。また来ますね」と頭を下げて帰る人はいませんよね。なぜでしょうか?店員さんに頭を下げながら「ありがとうございました」と言われれば「いえいえ。また来ますね」と会釈する人もいらっしゃるでしょうけども。

この違いって、何でしょうか?合成音声は声が無機質に聞こえる、そういう人もいるかもしれません。でも今は、無愛想な店員さんよりも明るい声で「ありがとうございました」と流れる音声もあります。


返事をしたくなる声と、返事をしなくてもいいやと思う声。この違いは「自分に向かって言われている声かどうか」、なのです。同じ店員さんでも、背中を向けて商品を見ながら「ありがとうございましたぁ~」と言われても返事をしようと思いませんが、面と向かって丁寧にお辞儀されて「ありがとうございました」と言われれば、こちらもつい会釈してしまう。それと同じです。返事をする、返事をしたくなるのは、声が心に届き、心が反応しているからでしょう。


朗読は、自分が声を出して読んでいれば聴き手が必ず理解してくれると思っている方がいます。けれど、それは大きな間違いなのです。朗読は「インフォメーション(伝達)」ではなく「コミュニケーション」です。

朗読をしていると、原稿を読むのに夢中になって、原稿から目を離さない人がたくさんいます。もし、あなたが誰かと話をしているとき、相手がずっと携帯電話やスマートフォンの画面を見ながらあなたと話していたら、どう思いますか?病院で医師が、あなたの方を一度も見ずにパソコンのデータだけ見て診断していたら、その医師に命を預けようと思いますか?どちらにしても、まともなコミュニケーションにはならないでしょう。


では何故、朗読で同じことをしてしまうのでしょうか?今一度、考えてみましょう。

その答えが見つかったとき、あなたの朗読の世界が180度変わります。



声を磨く朗読講座

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