朗読が上手になるコツ その2

今の朗読に求められているもの」でお伝えした中から、少し意識するだけで伝わりやすくなる朗読のコツをお伝えします。


表現力というと、感情を込めればいい、と思い込んでいる方がいます。特に女性に多いのが、副詞などを強調するのが「豊かな表現」だと思っているタイプです。

朗読するときに「た~くさんの鳥がいました」「と~っても寒い日に」「深~い海の底に」など、ついやってしまうようです。この場合、「鳥が」「寒い日」「海の底」をきちんと伝えなければならないのに、「たくさんの」「とても」「深い」が強調されたことで聴く人にわかりにくくしています。これは、子どもに対しての読み聞かせであれば効果的な読み方の一つでしょう。けれど、大人に対してこのような読み方をしてしまうと、聴き手はしらけてしまいます。

このような読み方が女性に多いのは、子どもに対しての読み聞かせの経験があるためでしょう。子どもは楽しんでくれますが、大人は「何だか馬鹿にされているような気がする」と感じる人も多いのです。

 

表現をする、というと、おおげさなくらい強調すればいいと思っている方もいるようです。朗読では、お話の内容によっては良くなることもありますが、たいていは失敗します。しっかりと文章を読み込んで、どこを強調するのかポイントを絞ることも大切です。

また、読むスピードに緩急をつけることで表現力は格段に上がります。私はいつも、全部同じスピードで読むのは「お経」と同じだとお伝えしています。一定のリズムは心地よく聞こえ、安定感がありますが「聞かせどころ」がないのです。朗読では長いお話になればなるほど、印象に残りません。「聞かせどころ」はどこなのか、しっかりと考えながら読んでみましょう。



文章の中の言葉を発するとき、きちんとその言葉のイメージを持って発していますか?朗読のときに、これをするとしないとでは、「伝える力」に雲泥の差が出てきます。例えば、「走っています」という文章があったとします。

この人はどこを走っていますか?畑の中の道?海沿いの道?住宅街?

どんな人?男の人?小さな子ども?

いつ?朝?夜?

いろんな場面があるでしょう。それをきちんと踏まえた上で読むと、自然に表現の仕方が変わります。

この人は、どうして走っているのでしょうか。親友が邪知暴虐な王にとらえられているから?(走れメロスですね)

急いでいるから?何のために?

気持ちよく走っている?悲壮感漂わせて走っている?どのくらいのスピードで?

まずはこちらの写真くらいにはっきり思い描ければいいでしょう。

朗読をするには文法力が大事だという人もいますが、それよりも、想像力豊かな人の方が上手になれます

少なくとも、私はそう思っています。



朗読するときに「創意工夫」といわれても、何をどうしたらいいのかわからない ― そんな声も聞こえてきそうです。そんなときは、まず聴く人の立場になってみましょう。手軽に出来るのが「録音」です。特別な機械が無くても、今は携帯電話で手軽に録音することが出来る時代です。まず録音しながら読んでみて、それを原稿を見ないで聞いてみてください。ああ、ここが聞こえないとわかりにくいな、ここのイントネーションがおかしいな。そんな風に聞けるようになれば、ぐっと上達します。まずは原稿を見ないでスムーズに聞けるかどうか、です。

人間は誰でも、視覚からの情報が優位に働きます。原稿を見ながらだと、理解していると思い込んでしまうのです。

朗読を聴いている人は、あなたの「声」に乗せた情報だけが全てです。原稿を見ながら聴いているわけではありませんよね?この、「声に情報を乗せる」という意識を持つことが「創意工夫する」ということです。

アクセント、イントネーション、スピード、間、表現力、言葉のイメージなど、聴き手に対する配慮はすべて「創意工夫」です。

難しいと思いますか?たしかに独学ではとても難しいと思います。 でも、ここに挙げたものは全部「伝えるための技術」です。良い朗読をするための「技術」です。「技術」は練習・鍛錬で必ず身に付きます。一番いいのは、きちんと「伝える技術」を教えてくれる先生に習うこと。できれば、あなた自身の良さを引き出してくれる先生に。さらに、お互いを認め合える仲間がいれば、もっと楽しい。あなたがこれから、そんな先生・仲間に出会えることができるように願っています。



声を磨く朗読講座

埼玉県川越市

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