朗読が上手になるコツ その1

今の朗読に求められているもの」でお伝えした中から、少し意識するだけで伝わりやすくなる朗読のコツをお伝えします。


「アクセントが違う」と言われ続けて、朗読をやめてしまった方にお会いすることがあります。「お国言葉」を否定され自分を否定されたような気持ちになってしまうようです。

私は東京で生まれ育ちましたが、仕事で日本全国を回っていた頃、温かみのある「お国言葉」を聞くと羨ましく思ったものです。ただ、朗読ということになれば話は別です。

朗読の仕事をしていると「東京だとアクセントには苦労しなくていいですね」と言われますが、東京で生まれ育った人が全員「完璧な共通語」を話しているわけではありません。

また、「関東では全員が共通語を話している」と思われているようですが、そうでもありません。例えば、ここ埼玉県川越市で生まれ育った方は、山梨寄りのアクセントで話します。そもそも「共通語」というのは、東京方言を元にしてできた言葉です。東京だから関東だからといって「完璧な共通語」を話す人など、いないのです。(訓練された方は除きます)


では、なぜ朗読するときには「共通語が基本」なのでしょうか? ー それは、共通語が一番伝わりやすいからです。聴き手は自分が思っているのと違うアクセントを聞いたとき「あれっ?」と違和感を感じて、思考が止まります。その間にお話が進み、内容がわからなくなってしまうことがあるのです。

聴き手にきちんと伝えるために共通語を使う必要があるのです。共通語は、伝えるための手段として身につけていきましょう。



人は誰でも「自分が正しい」と思い込んでいるものです。私自身も、よく直されました。伝わりやすい朗読をするために、常にアクセントを見直すようにしましょう。

いつも側に置いておきたいのが「アクセント辞典」です。「アクセント辞典」にはNHK出版の「日本語発音アクセント新辞典」と、三省堂の「新明解日本語アクセント辞典」の2種類があります。私はNHK出版の「日本語発音アクセント新辞典」をオススメしています。2016年に18年ぶりに改訂され、最新のアクセントを確認することができます。以前に比べて、使いやすくなったように思います。

アクセント辞典は敷居が高い、という方は「新明解国語辞典」にもアクセント記号が付いています(版によります)。そちらで確認してみるのもいいでしょう。

NHK・三省堂のアクセント辞典、新明解国語辞典はそれぞれ表記の仕方が違います。自分にとって使いやすいものを見比べてみるのもいいかもしれませんね。



アクセントは、ある程度は自分で調べて直すことができますが、イントネーションは指摘されてもわからないことが多いようです。同じ文章でも場面によって違ったり、文の途中なのか、文末なのか、でも変わることもあります。

ベタ読みは論外ですが、豊かなイントネーションで読まないと聴く人は飽きてしまいます。イントネーションを豊かにするといっても、うねったイントネーションでは聞きづらいし、文末の処理が不適切だと意味が伝わりません。

本で調べたりしても、この文章にはこのイントネーションが正解、と判断するのはとても難しいので、できるだけ先生について習うことをオススメします。


普段から早口な人は読むスピードも速くなりがちです。読むスピード、話すスピードは、その人の性格が良く出ています。せっかちな人は早口ですし、おっとりした性格の方はゆっくりと話します。ある程度速くても聞き取れればよいのですが、早口な人は「間がない」もしくは「間が極端に短い」ことが多いのです。

「立て板に水」という言葉がありますね。スラスラと読めてスゴイ!と思われがちですが、最初は驚いたり感心したりするものの、次第に飽きてきます。聴く方ががんばっても2~3分というところでしょうか。スラスラと読んでいるのに、どうしてだと思いますか?

それは「間」が無いからです。「間」は、良く音符の中の休符にたとえられます(厳密に言うと違うのですが)。言葉が絶え間なく流れていると、その内容を脳で処理できなくなる、つまり理解できなくなります。相手が何を言っているのかわからなくなり、思考を停止する、つまり聞こうとしなくなってしまうのです。

きちんと聴き手が内容を理解できているかどうか、確認しながら読み進めるようにしましょう。

 


声を磨く朗読講座

埼玉県川越市

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